迷子の紀行

海外オタクの気まぐれな日記

残念でならないと言わざるを得なかったリコリス・リコイル12話の感想

数日前足立慎吾さんがゲストに出たラジオを聞いて、「ツイッターあまりつぶやいてないから意見があまり送られてない」と仰ってました。

 

そして12話の脚本担当さんのツイートには批判リプがあってスルーされたのを見て「まあ、その対応は正しかったね」と思う。(絶賛リプにだけ反応したからそれはそう) いちいち批判意見まで反応したらキリがないからね。でも一応認識はしていると思っていいかな?

 

わざわざ批判を直接にぶつけるのは流石にアレなのでネットの海へ流すのが一番無難だなとか続編があれば参考になれるといいなとか思ったり書きました。届いたらいいなとこっそり願いつつね…。

 

え?要らない?まあ書きたいので…ある程度吐き出さないとスッキリしないから…。

 

最終話が放送された時は理屈と脳を投げ捨てたちさたき尊い!オタクになってエンディング最高!と拝めまくり褒めちぎる未来が待ち受けてる前提で、だから今回はどうしてこうなった点・残念と思った点・不満点を思い切り書こうと思います。一応言葉は気をつけて選んだ、つもり…です。

 

 

 

たきなの銃?って一瞬思った。塗りミスか。

冒頭から「うわぁぁ手抜きだわ」って思ったのはこの上の画像ではなく、たきながどうやってシャッターを打ち破ってきたかを全然説明されなかったところ。いや、これちゃんと説明してよ。しちゃだめでしょ。じゃないと色々シュールすぎるだろ。たきながゴリラになっちゃうじゃん。

 

結局放置かい…。

 

 

【リコリコの本当の強み】

 

普段私はどちらかというと、ちょろいオタクです。楽しめて作品の本筋がブレなければ多少のガバは気にしない。

 

リコリコは3話からリアタイし始めてずっと楽しんで「これもしやまどマギ以降の現象になる作品では?」さえも思いました。同じくリコリコを視聴してる友人たちが5~6話辺りから「怪しい…」って言っても私はその時「言うほどガバか?」程度しか思わなかった。

 

しかし10話から違和感が感じ始め…え、結局自分もただの百合豚にすぎないのか?ってショックを受けたんですが、12話を見た後…ようやく理由が分かりました。

 

(個人的の)リコリコの他のアニメより優れるところは

  • 作画と細かいアニメション
  • アクションシーン
  • 音響
  • キャラのやりとりに臭さを感じさせないところ
  • 演出
  • 声優のお芝居
  • キャラデザ(ちさたきが理想的と言っても過言ではない)

 

上記の要素とテンポの良さのおかげでリコリコはなんとかガバを誤魔化しつつ勢いで毎週を華麗に乗り越えてきた。特に時に可愛く、時にエモい千束とたきなの関係の変化は「毎回入れた」ほどこの作品は物語の主軸にとても忠実だなと思わせました。もちろんそれが視聴者の毎週の楽しみだし、毎回公式が自ら二次創作を潰す勢いで斜め上に行ってくれた。

 

オタクがよく言う「ちさたきがあればそれでいい」は決して大袈裟ではありません😊😊😊

 

10話は「ちさたきの絡みによる癒やし」と「テンポの良い日常パート」がなくなったことで私が違和感を感じ始めたわけです。そして12話こそこのアニメはどれだけビジュアルと勢いに助けられてきたかを痛感しました。脚本がなぁ…。

 

まだ序盤だった頃は「映画で例えるならオスカー賞を取れなくてもノミネートされるだけのポテンシャルがある」と思ってたのに12話を見た後の感想が「ああ…このアニメ…最終的にせめて低予算のホームビデオレベルを越えてくれ…」になりました。どうしてこうなったかは次語ります。

 

 

【5分に一度はクスリと笑えるアニメを目指すのは良い、が………】

 

シリアスパートは真面目に、日常やギャグパートは全力でふざけるなら大歓迎ですが、

 

誰だ…シリアス展開が進行中にギャグを入れたのは。

 

 

笑えるけど笑えない()

 

割と派手に展開してきた真島サーンのリコリス暴く計画ですが、ギャグであっさりと解決されましたね。ギャグで片付けるなら事態非常深刻!みたいな雰囲気と盛り上がりは要らなかったのでは?何のためにシリアスをやったの?

 

ハッキングをまだ止められず生放送が流れるままリリベルを突っ込む虎杖おじさんはアホなの????リリベルも生放送されたら今度はリリベルを始末するの???

 

茶番みたいに片付けるくらいなら最初からやらなければ良かったです。こんな茶番()その尺はカットされたたきなVS姫蒲のバトルシーンに割いてくれればまだマシだったのに…。

 

最終回に向けるクライマックス展開がほぼその作品の印象づけになるのにどうしてこうなった…(2回目)

 

ギャグアニメ(?)として広く知り渡れるシンフォギアさんすら、シリアス中でギャグをやりませんでしたよ?(だってキャラの言動そのものがもうギャグw) シリアスはちゃんと真面目やるところはあのアニメの良さだったな。それにギャグアニメとしてのクオリティはシンフォギアのほうが圧倒的に上。

 

正直この作品のリアリティーラインはどれくらいがちょうどいいだろう?最早キャラのやってることが真面目なのかギャグなのか区別がつかなくなりました。もしや「心臓が逃げるうううう」はシリアスではなくギャグだったかもしれないな(私にはアレがどう見ても質の悪いギャグにしか見えません。言葉チョイス最悪)

 

シンフォギアっぽいノリで最初からやっていたのなら多分笑いどころ。

 

 

リアタイ後のオタクのお気持ち表記。

 

 

【あれもやりたい、これも書きたい、出来上がったのは何の味か分からない闇鍋】

 

まさに「餅屋は餅屋」。扱いきれないものに手を出すべきではない

 

舞台装置を詰めすぎて回収が追いつかない感が凄い。DA、アラン機関、真島…畳む腕がそんなにないのに風呂敷を広げすぎちゃった結果が12話。

 

私の大好きな作品の一つ、Darker Than Blackの主人公もとある組織のエージェント。でもあのアニメの組織は曖昧ままで1期が綺麗に終わりました。舞台装置だから別に掘り下げが必要ない。リコリコで言ったら「リリベル」に該当しますかね(DAは直接に主人公たちと関わるから多少の掘り下げが必要かも) 名前だけ出されても本筋には影響がないし…だって見せたいのはそこじゃないですよね?

 

扱いきれないなら手を出さない・視聴者の想像に任せるのはプロのやり方なんじゃないかなって思います。自分でもろくに詳しくない要素に手を出すと、リコリコ12話みたいに「最強AIが何度もハッキングされたのに何の対策もしないITセキュリティー担当スタッフ」「秘密漏洩を阻止するために更に秘密漏洩させる指令を出す上層部のおじさん」といったアホすぎて現実ではありえそうにないものが生まれます。

 

残り1話。回収されないフラグまだたくさん。真島との対決(しつこい…)、心臓の問題、吉松の狂気、何より一番の問題は「結局のところ、ちさたきの関係に注目してほしいと言ったがどこに注目してほしいんだ?千束にとってたきなはどんな存在なんだ?」。12話の脚本を見たかぎり、綺麗に片付くととても思えません。

 

それと、1000丁の銃は???(まだ覚えてる?)

 

 

【❎ 物語を書いていくうちにキャラが勝手に動いてそのキャラがやりそうな展開を作る

 ✅やりたい展開が先にあって無理矢理にキャラを動かす】

 

感じ始めたのは8話の真島が千束の家に来たイベント。あれはどう考えても監督がただ「主人公と悪役が仲良く駄弁る」シチュエーションをやりたいとしか思えません…。6話を参考にするなら侵入者が来れば千束が知らないはずないですし、展開が設定と矛盾して明らかに不自然。

 

次は槙島聖護気取りの真島。槇島のように世間へのメッセージを伝えるようなことは一切なくただの犯罪をやってるだけなのに偉そうに善悪について説教する.....ため息が出ましたね…()

 

あとは11話のラストですね。ただ3コールワン切りの約束とサプライズ!な引きで締めたかっただけで。12話冒頭の共闘シーンはあっさり終わったし、そもそも共闘と呼んでいいかあのシーン…しかも本当はまだ終わらなくてしつこくまたやるしもう一人の主人公がハブられるし…12話冒頭と同じくまた参戦して共闘するくらいなら12話冒頭で綺麗に終われや。リリベル出さなくていいから。

 

そのせいでこのシーン要るか?なシーンに貴重な描写が削られたのがすごく勿体ない(千束と真島はどうやって電波塔の爆発から生き残ったか、たきながどうやってシャッターを打ち破ったか、たきなと姫蒲のバトルシーン…etc)

 

 

【ストックホルム症候群か?これは…】

 

個人の問題かもしれませんが、私はあまり真島絶賛意見に共感できません。キャラの好き嫌いはその人の自由でとやかく言うつもりはありませんが、「いかなる状況下でも悪役を美化しない、英雄にしない」ことがせめて物語の作り手としての責任だと思います

 

真島サーン万歳的な意見を見かける度に「…大丈夫かな…」とため息ついて画面をスクロールします()

 

ファンアートに罪はないから気に入ったらRTはしますけどね、矛盾だらけや()

 

 

 

【2人?の物語】

 

そもそも初めから「バディもの」や「2人の主人公の関係性の物語」を挙げなければここまで「ちさたき」にはまらなかったんですよ。主人公たちの仲良くなってお互いのかけがえのない存在になる過程をがっつり見せてくれれば、百合は別にあってもなくても大丈夫(あったらいいなって程度。なかったら勝手に幻覚を見ますので)

 

「 一緒なら、ワクワクしてこない?いこっ相棒!」→ よし、バディものだ。視聴決定。

 

9話まで、このアニメは毎回必ずちさたきの絡みと関係の変化を入れてくれてオタクの予想を斜め上行く(メーリーゴーランド、パンツ回、他の人いませんよ、同棲などなど)しかし10話まで来ると流石に私も焦りだしました。期待してた通りたきなは視聴者が成長を楽しめるために作られたキャラで、たきなの千束への気持ちの変化が回を重ねるごとに変化していくのすが……千束の成長は?変化は?……………………はい、まったく見られませんでした。もうちょっとで終わっちゃうのに?え?

 

た→→→→ちの関係はわかりやすいけど千束はどう見てもち→たですよね。多分たきなは千束にとってその他のキャラと変わらないまま…あれ?2人が仲良くなっていく話じゃなかったっけ?…もしかするとそれがこの物語のクライマックスか?…と辛抱強く様子見してもう最終話直前まで来たけど…「2人が仲良くなっていく」はどこ?どう見てもたきなの一方通行の愛情(もとい片思い)にしか見えないけど????あれ?????

 

 

格好をつけてバランスバランスって言い張る割に、千束とたきなの助け合いのバランスがめちゃくちゃ悪いと思いませんか?千束の私TUEEE設定が悪い意味で枷になってる。強すぎてたきなが居ても居なくても千束に影響がない。むしろたきながいた事で足まといすらなったことがとても悲しい。射撃の腕がすげーって設定もまったくいかされてない気がするし。

 

本作はあまり説明セリフを入れないからちょっと分かりにくいかもしれないので書いてみた

 

たきなの射撃すげーな活躍

1話 → 振り返ってすぐ、暗く遠いところからウォールナットのドローンを撃ち落とした。

2話 → 飛んでる車から飛んでるドローンを撃ち落とした。

3、4話 → 練習場所に描写は十分はわかりやすかったので割愛。

5話 → サイレントジンの急所を外して妨害した。

6話 → 暗く遠いところから敵の急所を外して千束を助けた(真島の銃だけを正確に当てた)

 

なんか一度も対等に肩を並べて一緒に戦ったことがないなぁ…寂しい…。バディ関係における2人だけの信頼を描いたのは3話の模擬戦と11話の3コールワン切りくらい。

 

12話はやっと共闘来たーーー!と思ったらあっさり終わったし、全然共闘できてなかったし、足まといになったし…はぁ~ 12話のラストなんてたきなはもう一人の主人公からただの舞台装置に成り下がっちゃったよ…。DAにも左遷されて制作陣にも左遷されて可哀想。

 

もしこの物語は本当の主人公が千束で、たきなはその他のキャラの一人にすぎないのなら「バディもの」、「2人の物語」の主張が全然要らなかったのでは? 天才同士のタイマンが描きたいなら最初から「バディもの」で釣らないでほしかったです。それならキービジュアルやCDやBDジャケットの絵にわざわざ2人を推した意味が分からない。もう分からなくなった。

 

最後の最後までハブされるもう一人の主人公「だった」たきな…

 

よく考えればたきなの過去ストーリーをばっさり切って千束に接点を当てた時点でたきなは舞台装置当然だった()…真島を入れるくらいならたきなの過去ストーリーをやったほうが良くない?それぞれの抱える問題を一緒に乗り越えて仲を深めていくストーリーにしたほうがメインテーマに合ってると思う。

 

……一人の主人公がキチガイおじさんで頭いっぱいだし、しつこい化け物にずっと付きまとわれるし、もう一人の主人公の入る隙がどこにもない。肝心なちさたきのバディ関係はどこ…どこですか(切実) 難しく考えずにちさたきの関係を見てもらいたいって仰ってますけど私もしっかり見るつもりですが、見せてくれませんから…………………………

 

書いててなんか自分が怨霊になってたみたいな気分と文章だった。この気持ち…ラブコメだとジャケットに騙されて見た映画が実はホラー映画だった時に似てる感情だ…。

 

 

 

【錦木千束というキャラ】

 

良い子になりすぎないように作られたと言った割に、視聴者としてはあまりにも非常識なキャラを目の当たりにすると分からなくなって共感できなくなります。

 

12話なんでこんな風に書いちゃったんだろうね。周りの差し伸べた手を振りほどいて、周りの想いや気持ちを全拒否し無視して…まあ確かこれは良い子だと言えない(苦笑)平気で慕ってる人たちの気持ちを自分のエゴで傷つけるキャラにわざわざ書いた意味は何だったんだ…。こりゃヘイトが集まりますわ。

 

ここまで喜んで死に行くようなキャラに仕上げて生き残るエンドになった場合は、どうやって視聴者を納得させるかは見物。

 

千束は決して悪くないですけどね。別にたきなに吉松を殺させろと思ってませんし、彼女の信念は正しくて立派です。

 

 

でもエレベーターのシーンは流石に擁護できない。突き放しておいてわざわざ相手の心にトラウマを刻んでいくとかもうサイコパスだろうこれ。

 

 

【でも結局我々はスタッフの手のひらに踊らさてるのよね】

 

千束へヘイトが集まっちゃってるのももしや計算されてるのでは?と思いたいけど、12話みたいな雑な脚本を出したくらいだから、多分ない()

 

でもこのアニメはもう成功してると言えますね。こんなにオタクの情緒をかき回して共感させてさ。私のことも笑ってもらっても構いません。なんでこんなに長文を書くのって自分でも笑いましたからw

 

 

終わりが良ければ全て良し!という言葉があるように、一回派手にこけただけ全て台無しになることもあるのねって改めて思いました。

 

最終話はちゃんとバディものを見せてください。